楽しいレッスンの磐梯ひじかたスキースクール   2003/ 7/04〜
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   この片足スキー練習法はSIAでは正式に、また日体大やSAJなどでも採用されていますが、土方あきらが開発したものです。

初心者のための片足スキー指導法の解説

透明スペーサー

丸ボタン SIA非公認スキー学校と、スキー教師のためのお部屋へ   SKIスキーのいろいろページ


◇このページの主旨

 上級者がさらに腕を上げるために、片方のスキーを外して滑ることはたいへんに効果があります。
 しかし、ここで登場する「片足スキー」は、あくまでも初心者のスキー入門課程での指導法です。ですから、このページの対象は実際にスキーを雪の上で指導する、インストラクターやクラブ指導者などの皆さんになります。
 一般スキーヤーの方が読んでも、決して面白いページではありません。


◇片足スキーの履歴書

丸ボタン  私がレッスン活動をベースにしているスキー場には、自然停止が出来るような初心者に適した練習斜面がないのです。
 そのため初心者の指導で、もっと楽に、素早く、楽しく上達出来る指導法は無いものかといろいろ考え、実際のレッスンで試してきました。
 その一つとして、片足スキー指導法にたどり着きました。
 但し、これだけが唯一絶対のモノではなく、トライスキーなどのように同じく威力の補助用具や指導法は、他にもあるものです。
 押しがけも大変に効果のある指導法なので、いつか紹介出来れば、と考えています。
透明スペーサー
 片足スキーはモノになると確信を持ち始めたのが、1974年頃でしょうか。
丸ボタン  その後、何度かはスキー雑誌に発表していましたが、1976年には単行本の中で発表。
丸ボタン  1976年3月、独立200年記念に招かれ、「'76アメリカ・ナショナルスキー会議」にて日本のSIAとして、見谷昌禧さんと私で発表。
丸ボタン  1977年初冬に発行の「SIAオフィシャル・スキーメソッド」(報知新聞)に採用され、発表される。
丸ボタン  日体大の大出教授は、早くからこの指導法を評価いただき、大学の授業の中でも採用しいただいています。
 見谷さん、大出さんのお二人の評価がなかったら、スキー界には広まらなかったと思い、この場を借りして謝意を表します。
丸ボタン  ドイツのスキー連盟でも、私よりも前の時代に、一時はメソードで採用したことがある、と直接聞いています。どのような内容だったのか、何故消えたのかは不明ですが。
丸ボタン  お蔭さまで現在では、SIAの範囲にとどまらず、SAJほかも含め多くの組織、コーチたちに採用され、普及しています。


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◇練習法の特徴

 いわゆる「運動音痴」を自認するような人に対しても、充分に効果を発揮します。いわば誰でも、どのような人でも、易しく、楽しく、早く上達出来ます。
 但し、あくまでも初歩課程までの練習法です。
 初心者の入門に適した、自然停止の出来るような緩斜面が無いような地形のスキー場では、両足スキーの通常の練習法と比べてはるかに効果的です。


◇両足スキーのレッスンで上達が遅い理由

 元々身動きの出来ない初心者の上達を妨げているのが、不勉強なコーチによるまじめなレッスンであることを、良く理解しておきましょう。
透明スペーサー
 まったく泳げない人に、畳の上で延々と正しい泳ぎ方とそのコツを講義しても、泳げるようにならないことは明白です。
 何故なら実体験抜きでは、運動の学習効果が得られないからです。こういう感じなのかとか、こうやれば前回よりも上手くできたとか、やってみればそれほど怖くない・難しくないとか、などなどは畳の上ではつかめないからです。
透明スペーサー
 斜面で生徒全員を(きれいに)並ばせて、説明していませんか。
 両足にスキーを履いた初心者は斜面を登るだけで大変で、それを全員が並ぶまで待っているのは個々の練習時間のロスをしているのです。
 こういうロス時間を合計すれば、生徒が実際に滑るなどのために費やしている時間は、ごく僅かなのです。下手をすれば2時間のレッスン時間の内、10分も有るか無いかというものなのです。
透明スペーサー
 信じられない人は、下手なコーチのレッスンを、ストップウオッチ片手に実際に計測してみて下さい。
 生徒10名で、1ローテーションに10分をかけて、プルーク・ファーレンの練習していたとします。
 しかも5〜7メートルの短い滑走距離。(その2、3倍の滑走距離を設定していても、コーチが上手く誘導しないと、そういう超短距離で停まり、辞める傾向があります。)
 こういう悪いケースで6回滑らせれば、レッスン時間60分で、滑走距離はたったの50メートル前後、滑走時間はたったの数分なのです。これは、生徒が上達しないのではなく、コーチが生徒の上達を妨害しているのです。


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◇指導でのポイン

 片足スキーは、その技術自体を習得することが目的ではありません。私たちが自身のトレーニングや、上級者へのレッスンで行う片足スキーとは、全く違った目的です。
透明スペーサー
 初心者は、スキーの“滑る”という感覚が分かりにくいために行うものです。
 カカトの上がらない固いスキー靴と締具をつけ、ほぼ身長ほどの長いスキーを履き、ツルツル滑る雪面での運動は、全てが初めての体験でたいへんに難しいことです。ましてや両スキーを履いて、斜面を登ることや滑り降りることは、並大抵のことではありません。
透明スペーサー
 片方のスキーだけ履いて練習することで、これらがひじょうに簡単に出来るのです。
 目的がそういったものである以上、練習では、どうやったらうまくやれるかを教える必要は、ほとんどありません。それよりも無駄話をしてください。山や湖などを見ながら、一緒に雪景色の美しさを話し合ったほうが楽しいです。
 階段登行の際もしかりです。出来なくてもその時はかまいません。完成度は問いません。無駄話をしながら、練習してください。
透明スペーサー
 片足スキーでは、皆さん一緒にどんどん歩かせ、上らせ、滑らせます。レッスン時間の内、多くの時間を生徒さん自身が、動きまわっています。ですからたった15〜30分弱の練習時間で、大きな効果が得られるのです。
透明スペーサー
 反対側の足にスキーを履き替えて、左右の練習を組むコーチもいます。左右を練習しておくことは、理論的には正しいとしても、私はその必要性は感じません。
 どちらか片方だけ練習すれば間に合います。但し、コーチと同じ側の足にスキーを履くことが、とくに大切です。


◇危険性

1.
 片足スキーの直滑降では、距離を非常に短めにして、スピードを超低速の範囲内に押さえること。少しでもスピードを出すと、安全で易しい片足スキーの長所が殺され、危険性が高まる
 可能な限り平らな斜面を選び、5mくらい滑る。
2.
 バランスを崩し、スキーを着けていないほうの足が前に出てクロスし、雪に付いた場合が危険です。急ブレーキ、急ハンドルが生まれ、バランスを崩します。これだけはコーチも十二分に注意し、全員によく理解させておきます。
 そのように成りそうな時は、早めに諦めること、停まること、自ら転ぶことなどが大切です。


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片足スキー  練習 約30分(一般レッスンの場合は10〜25分)

◆スキーを片方だけ履く

・ 使わない片方のスキーは邪魔にならないように、他のスキーヤーに危険を与えないように、ゲレンデの端などに立てておく。
 刺さりにくいアイスバーンでは、スキーを流さないように注意して裏返しにして、1カ所にまとめて寝かせて置く。
・ どちらでも良いから、コーチと同じ側のスキーを片方だけ履かせる。
 途中で履き変えて、反対側の練習をすることは原則的に必要ない。
・ 平地でないときは、山側のスキーを履くようにした方が易しい。
・ 靴底に付きやすい雪質のときは、雪を落として履くように指示。ときには手伝いも必要になる。


◆歩行、曲線歩行、推進滑走、登行

・ 説明は、この段階ではそれほど要らない。
・ コーチの後ろに一列につかせ、斜面では滑らないように横方向に歩き始める。
・ 適当に横に歩いたら向きを変え、元の位置の辺りまで戻り、これを何回か繰り返す。いちいち止まらずにグルっと大きな輪を描くように歩くと良い。
・ 靴で歩いた足跡で荒れるような新雪、または混雑したゲレンデでは、この横への移動は短めの距離にする。
・ 曲線歩行では、ストックやスキーを何本か左右に振って立て、その横を歩くようにすると良い。より楽しいし、また自然に曲がりながら歩くようになる。
・ 登行に入る時も、片足スキーのお陰で説明無しでも出来る。


◆滑走

◇滑走。可能な限り平らな斜面を選び、5mくらい滑る。斜めに滑るのは難しいので、真下に滑るのが原則。
◇スタートやゴールの横にストックを立てて、目印にすると良い。
・ 初めの3回くらいは、わずかに下にスキーを向けて、やっと滑る程度の遅いスピードで滑らせる。
・ 普通だと横向きから少しずつ下に向けて行くことが練習の基本だが、次はいきなり真下に滑る。斜めの横切りでは山側のエッジ1本に乗る必要があり、これが片足スキーでは難しいからである。
 (但し、少し急な斜面や地形によっては斜めも可)
イ) 3〜5mくらいの直滑降
ロ) 4〜7mくらいの直滑降
ハ) 7〜12mくらいの直滑降(斜面、地形、雪が滑り過ぎるときはやめる)
・ スタートやゴールの横にストックを立てて目印にすると良い。
・ どんどん滑らせる。
 前の生徒が止まってからスタートの準備をする生徒が多いが、いつでもスタート出来るように早くに用意をさせる。
 練習は一列だけでなく、ぶつからないように横の間隔を空けた位置でもう一列を並行して練習させると効率が良い。
透明スペーサー

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★ 危険の防止

 前の生徒が止まり、横に移動してその場所が空いてから、次の生徒はスタート。
 スピードを出させないように注意。もし出過ぎるときはスタート位置を下げるか、停止位置を上げて滑走距離を短くする。
 バランスを崩し、スキーを付けていない脚が前に出てクロスし、雪に着いたときは急ブレーキがかかり、ケガに結び付きやすい。片足スキーの唯一の、大きな欠点と思われる。そうなると危ないことと、バランスを取り戻そうとしてあまりもがいて暴れずに早めに諦めて転んだりするように、はっきりと伝え、理解させる。


◆両足スキーのための予備練習を行っておく

・ 安全性の高い転び方
   お尻から転ぶ。膝や手から転ばない。
・ 楽に起き上がるコツ
   斜面の真横にスキーを向けて、それからから起きる。
   斜めにスキーを向けた状態から行うと、滑り出してしまい、なかなか起きあがれずに疲れることを説明する。
・ 階段登行
   斜面の真横にスキーを向けて、横歩きで上る。
   スキーが斜め向きになると、斜め横に滑り出してしまい、なかなか登れずに疲れることを説明する。
・ スタート姿勢の作り方
   斜面の真横にスキーを向けて立ち、山側のテールを大きく開き、反対の足を少し狭める。いつもV字を保たないと、両足スキーの場合は途中で滑り出してしまうことを説明する。
・ テールの押し出しの練習
   斜面に横に立った状態で雪面をこすりつけるようにして、片足のカカトを開き出す。スキーを着けている足も、付けていない足も行う。

 こういった練習を、片足スキーで行っておくと、両スキーを履いてから易しく出来ます。
 両足スキーで上手く出来ずに焦っている状態では、説明しても理解しにくいことが、片足スキーでは冷静な頭で理解しやすいものです。
 この片足スキーの段階で一度行っておくと、効果的です。


◇今日のレッスンでは、生徒さんは楽しんで上達してくれましたか?

 それなら、たいへんに結構です。
 でも、「上達したのは自分の指導力」などと自惚れずに、良い生徒さんに恵まれたことに感謝しましょう。
 なかなか全員が、または一部の生徒さんが上達出来ず、「今日の生徒は運動神経がニブく、」などと責任転換をしていませんか?
 もしあなたより10倍優れたコーチが担当していれば、あるいは相性の良いコーチが担当していれば、生徒さんは楽々上達出来ていたハズです。すなわち、自分自身の指導力の低さが原因であることを認め、素直に反省しましょう。


 少し元気のないスキー界ですが、現場の担当コーチの努力、資質に関わっている部分も少なくありません。私たちの力で、楽しいスキーを復活、普及させたいと思いませんか?

磐梯ひじかたスキースクール 土方あきら(2003/ 6/21)


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