SIA安全指導のガイドブック 2001/2002 (2004/ 4/10 up)
社団法人 日本職業スキー教師協会 発行より
安全指導のガイドブック目次 ご挨拶目次 @事故の傾向と対策 最近のスキー・スノーボード傷害・・・・2 スキースクールのリスクマネジメント・・・・4 A事故と法律 事故と損害賠償責任 B事故と保険 賠償責任事故と事後処理のポイント・・・・8 特別寄稿 傷害調査を担当して・・・・10 C安全管理要項SIA公認校とスタッフのための安全管理要項・・・11 D安全指導マニュアル安全な指導の手引き・・・・12 Eスキー用具と安全 「安全なスキーを求めて」各方面の取組み・・・・16 |
F傷害と応急手当 雪上スポーツ活動中の主な傷害と応急手当・・・・19 GSIA総合補償制度各種保険について・・・・21 資料 安全・救急に関する講習会・・・・22 受講申込書・・・・23 事故発生時の連絡体制・・・・・24 事故報告書・・・・25 確認書・同意書・・・・・26 公認スキー学校規程・・・・27 学校長研修会規程・・・・・29 公認スキー学校一覧・・・・30 あとがき協力各社・団体一覧・・・・32 スキー場の行動規則・・・・表3 危険告知(受講生の皆様に)・・・・表3 |
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@事故の傾向と対策 スキースクールのリスクマネジメント
水沢 利栄 |
※みずさわ としひで 全国スキー安全対策協議会調査委員会副委員長。福井大学助教授(スキー、スノーボードの安全についての研究をはじめ、スポーツ経営、特にリスクマネジメントに造詣が深い、体育学を専攻。) |
リスクマネジメン卜の必要性
スキーやスノーボードは、滑走者自身の転倒による傷害をはじめ、障害物との衝突や第三者との対人衝突事故など傷害につながる可能性が比較的高いスポーツである。スキースクール等での講習においては、受講生の安全確保のために指導の方法や指導内容が常に検討されなければならない。それとともに、特定の場面を想定した@事故防止対策、A救急対策、B補償・保険対策についてもあらかじめ検討しておくことが必要である。
しかし、事故が発生した場合には、事故の責任をめぐり損害賠償を求めるトラブルに発展したりすることがある。法廷の場で争われたり、法定外で争ったりす場合においても、判決や和解に至るまでには、弁護士との打ち合わせ、訴状や準備書面の作成、証拠の収集や証人さがしなど時間を要する作業をはじめ精神的な負担、そして風評による経営への影響など労苦は計り知れないものがある。
それならば、これら@ABの対策に加えて、事故が発生したとしても、裁判に持ち込まれないようにする対策、たとえ裁判で争うことになったとしても指導者・スクール側が負けないリスクマネジメントの対策を整えておくことが重要で、あるといえよう。
筆者が担当している大学のスキー・スノーボードの授業では、スキ}場での第1日目の夜に「スキー・スノーボードの安全」の講義を行っている。「いかに事故を防止するか、万一事故が発生した場合、被害をいかに最小限度に押さえるか、いかに経済的かつ短期間に問題を解決させるか、いかに法的責任を回避するか。」というリスクマネジメントを実現させるために行っている。
そのために、リスクマネジメントの手段として確認・同意書等を用いている。確認・同意書というと大げさかもしれないが、教師が伝えなければならない安全に関する事項をしっかりと受講生に伝えた確認を文書で残している訳である。ずるい言い方をすると、受講する学生に事故の責任の一端を負担させるためである。言葉は悪いが学生に責任を転嫁しようとしていることになる。これはリスクマネジメントの手法のリスクの分散、リスクの転嫁という考え方でもある。もともとスキーに関わるリスクマネジメントは、1970年代に訴訟を起こされて多額の賠償金を支払わされる事件が多発したためにアメリカのスキー場やレンタルスキー業者、スキースクールなどが、いかにして裁判に負けないかについて試行錯誤を繰り返し築きあげられた対策である。
筆者が担当する「安全」の講義は、スキー実習の現地第1日目の夜に行うようにしている。講義の時間は約1時間15分。
I:講義内容は、
@スキー・スノーボードの本質的危険、
Aスキー・スノーボードによるケガの特徴と事故防止法、
B対人衝突事故防止のための注意義務(上方を滑走する者の義務、下方にいる者の義務など)、
Cスキー場におけるルール・マナー、
D事故が起きたときの責任(主に損害賠償責任)、
Eビンディングの機能には限界があること、
F救急処置および脳内出血の危険な兆候、
Gスキー・スノーボードのための保険、
である。
スキー場におけるルールや対人衝突事故防止のための注意義務に関しては、「国内スキー安全規準」を配布して説明する。またスキー場において発生した対人衝突事故に関する裁判の話やスノーボードの逆エッジ転倒による脳内出血(硬膜下血腫)による死亡事故を防ぐための方法も説明する。約100名の学生は興味深く真剣に聞いている。そして、この「安全」の講義終了後には、
U:受講者全員に対して、
「確認、・同意書」を配布する。この「確認・同意書」の項目は、
1.「安全」の講義を受講したこと、
2.講義の内容(前述@〜G)を理解したこと、
3.現在の体調、
4.異常・不調の場合の処置、
5.注意事項を遵守すること、
6.スキー/スノーボードの危険を理解して受講すること、
7.実習に関する資料や実習中の写真を水沢(筆者)が保管・使用すること、等である。
受講生はこれらの事項について確認し、同意した後に、日付と本人の氏名および出席を証明してくれる学生を証人として署名させる。
そしてさらに、
V:「講義評価アンケート」
を受講生全員に配布する。アンケートの項目は、
1.「安全」の講義は理解し易い内容であったか?
2.自分がスキー/スノーボードで滑走中にケガをしたりさせたりする可能性があるか?
3.確認、・同意書を書かされるのは抵抗感があるか?
などについてである。
この評価アンケートは無記名で回答させ、その場で回収する。
この「安全」の講義と「確認同意書」、「講義評価アンケート」を組み合わせた講義にしておくことで、万一、受講生が負傷したり、第三者に損害を与えたりする事故が発生し、指導者の責任が訴えられたとしても、事故に遭遇した受講生に対しては事故防止に関する事項を具体的に指導していたことを示すことができる。最大限教師に降りかかる責任のリスクを小さくすることができると思っている。
仮に学生の起こした事故が裁判になった場合、指導者として適切な指導を行っていたことを示すには、受講生の証言も有効な証拠とはなるが、本人自筆の書類で示すことができれば普遍的で信頼性の高いものになるであろう。
筆者の講義は、指導者側の責任を回避する目的で行われるが、学生には予想を超える効果がある。アンケートを行うと事故に対する自分の責任の自覚が高まると9割以上の学生が回答している。学生は次のような感想を書いている。「この講義を聴いていなかったら無茶をしたかもしれない。危険を知ってよかった。」
これらの筆者の取り組んでいる内容はアメリカのスキースクールの受講申込書に記載されている内容と似ているところもある。アメリカの申込書にはスキー・スノーボードの固有の危険やリフト等の危険性、病院へ搬送された場合の医療費の支払い事項等、予測されるトラブルに対する対処、責任の有無が明確に書かれている。事故後にトラブルが発生しないための契約事項である。
日本のスキースクールにおいても、受講生の安全のために本質的危険や注意事項が明示された内容の申込書を導入し、講習を受けるにあたっての基本的知識や事故が発生した際の補償内容等について承諾した上で受講を受け付けるシステムを整えると、事故後のトラブルを防止するとともに安全性を向上させる対策の一つになるものと思われる。
もっともアメリカの申込書は、免責同意書あるいは権利放棄の証書といわれ損害賠償の訴えを起こさないことを誓約するということが、全面に表現されている。書類にサインしたら直ちに法的に効力を持つものではないが、その有効性に関しては裁判において審理されることになる。しかし、正当な手続きを踏んで作成された書類で法的に有効であるとの判決もある。
申込書に免責事項を明示していることは抑止的な効果も期待してのことである。
日本で申込書に「講習中に発生する事故の責任に関してスキースクールは一切責任は負わない。」 などと記載することは法的には全く意味がないばかりか、消費者保護法で禁止されている事項でもあるので注意しなければならない。 また、未成年者の受講については、未成年者の保護者に対し同意を得て受講を受け付けることが必要で、ある。
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A事故と法律 事故と損害賠償責任
山口 博 |
※やまぐち ひろし 弁護士 事務所/東京都新宿区四谷1丁目20番地玉川ビル4F 山口法律事務所 電話/03-3353-4141 |
自分だけで怪我をする場合は自業自得であるが、他人に衝突して怪我をさせたときは、治療費、休業補償、慰謝料など損害賠償の問題を避けでは通れない。軽い打撲、捻挫位で済めばまだしも、骨折、脳挫傷ともなれば損害も大きくなって、難しい賠償問題に発展しかねない。
今日スキー場におけるさまざまな事故例が報告されている。そして、それらの事故を引き起こした原因もさまざまである。個人の不注意による単独事故もあれば、ゲレンデ管理の不備による事故もある。
ここではスキー事故の事例とその法的責任についての判例を紹介する。
1.北海道のスキー場で、滑降していた大学生と主婦が衝突し、主婦が転倒して負傷したという事故である。
いずれもスキーについては相当の経験を有し、技術は上級であったらしい。主婦は、パラレルで大きな弧を描きながら滑降し、大学生は、主婦の上方から主婦よりも速い速度でウェーデルンとパラレルを織り交ぜて、小さな弧を描きながら滑降していた。そして、主婦が山側を左にして斜めに滑っていたところへ、上方からこれより速い速度で山側を右にして滑り降りてきた大学生が衝突した。大学生は主婦が進路前方に現われるまで、主婦に気づかなかったため、衝突を回避することができず、事故が発生したものである。
負傷した主婦から大学生に対し損害賠償請求の訴訟が提起された。
「スキー場での滑走には相当の危険を伴い、スキーヤーは危険を回避する注意義務があるが、その一方、スキーはレクレーションにとどまらずスポーツとしての側面が大きく、特に高度の技術を駆使する上級者の滑走についてはこの点が顕著であるから、滑走に際してはそのような危険が常に随伴することを承知の上で滑走していると解すべきである。
とすれば、スキーの滑走がルールや、当該スキー場の規則に違反せず、一般的に認知されているマナーに従ったものであるならば、他の滑走者に傷害を与えるようなことがあっても、注意義務違反はなく、行為に違法性がないと解するのが相当で、ある。」
とした。
一般にスポーツは、国民が健康で文化的な生活を営むうえに有意義なものであるので、このようなスポーツを優遇し、それに伴って生じる事故が、社会的に容認される範囲内の行動により起きたものであるときは、その原因を追求して不法行為責任を問うたりしないというのである。そして、本事案において、大学生が暴走し又は危険な滑降をしていたとは認められないとして過失はなかったと判断し、主婦の請求を棄却した。
「スキー場において上方から滑降する者は、前方を注視し、下方を滑降している者の動静に注意して、その者との接触ないし衝突を回避することができるように速度及び進路を選択して滑走すべき注意義務を負う。」とし、
「本件事故当時下方を見通すことができたというのであるから、大学生は主婦との接触を避けるための措置を採り得る時間的余裕をもって、下方を滑降している主婦を発見することができ、事故を回避することができたというべきであるとして、大学生に注意義務を怠った過失があり、主婦の蒙った損害を賠償する責任がある。」
と判示した。
スポーツ事故といえども単にルールやマナーに違反していないことをもって責任が否定されるものでないとし、損害賠償の前提としてのスキー場における注意義務の基準を示したものとして先例となるものであり、「スキー事故、上の人によける義務」と新聞でも報じられたところである。なお、この事件は破棄され高裁に差し戻された後、高裁で大学生の過失6割、主婦の過失4割として和解がなされている。
事案A ゲレンデ設置の不備による事故
1.スキーヤー(11才の少年)がゲレンデを滑降中ゲレンデに設置されているコンクリート製の照明燈支柱に衝突して死亡した事案である。同支柱には防護用マットが取り付けられていたが、雪面より70センチメートル上の位置に取り付けられていたため、雪面から上70センチメートルはコンクリート製の支柱がむき出しの状態になっていた。
少年は、同支柱上方付近の斜面を滑降中、スキー操作に失敗してバランスを崩し、コンクリートがむき出しになった部分に頭部から激突して死亡した。
一方スキーヤーについても慎重に滑降すべき義務があったとし相当な過失を認め、75%の過失相殺がなされている。
1.高校のスキー授業の自由滑走中に生徒が他のスキーヤーに衝突し負傷させた。
被害者は加害者である生徒と指導担当教員らにも危険防止の注意義務を怠った過失があるとして、教員らの使用者である北海道に対し民法715条(使用者責任)により損害賠償請求の訴訟を提起した。
「生徒に前方注視義務を尽くしておれば被害者の存在を容易に認知し得たとして生徒の過失を認めたが、北海道の責任については、スキー授業指導担当教員の過失につき、スキー授業実施に当たって繰り返し安全面における一般的注意を与え、基礎的技術の習得から種々の斜面における安全な滑走の指導へと具体的、段階的に技術面及び安全面において指導していたのであり、それ以上に生徒の一切の行動を常に指導監督する必要はなく、適宜の巡視で足りるというべきであって、指導担当教員の過失を認めることはできない。」
と判示した。
3.今日、スキーをはじめ、水泳、ゴルフなど各種スポーツの競技会、教室が盛んであるが、スポーツには危険がつきものである。主催者及び指導員には、安全を十分に考慮すべきであり、安全配慮義務懈怠に問われた判例も枚挙にいとまがない。
楽しいスキーを悲劇に変えることなく、スキー場での事故を限りなく“0"に近づけるためのさらなる注意と努力が望まれる。
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B事故と保険 賠償責任事故と事後処理のポイント
昨('00/01)シーズン、ある高校のスキー修学旅行の生徒が受講中に暴走し、リフト券を購入していた一般スキーヤーに追突、その方の背骨を折る重傷を負わす事故が発生しました。この件は、事故そのものはもとより、当時スキー指導を担当していたスキースクールに指導上明らかな不法行為が判明していなかったにも関わらず、高校、旅行社等の圧力により「この事故に関する全ての責任は当スクールが負う。また被害者との交渉もスクールが行う」という内容の確認書にスクールが捺印をしてしまったことも大きな問題となりました。追突した当事者および学校名は、一切おもてに出さない約束をしたことになったのです。
SIAでは万一公認校に不法行為が認められ、スクールに賠償義務が生じた時のために賠償責任保険に加入していますが、あくまでも法律上妥当な損害賠償責任によってスクールが支払った賠償金を補填するためのものです。
今回のケースはその範疇を遥かに越え、スクールが“自らその責任を負う"以外に方法がない状況になってしまいました。急速に欧米型の訴訟社会に近づきつつある現状の中で、相手の言うままに安易に賠償責任を認め、負う必要のない賠債義務を被ることは避けなくてはいけません。本件に対してSIA担当の保険会社、あいおい損保では緊急の異例措置として特別に弁護士を依頼し、事件の解決にあたっています。
ここでは、今回の事例をもとに損害賠償責任にスポットをあて、事故発生から事後処理までの注意点をまとめました。
◇事故の発生から事後処理まで
◇事故が起こったら
Point1 まず救護@相手が負傷した場合、当然のことながら、救急救護が第一です。
A相手に対しては、できるだけ誠意をもって対処して下さい。
Bこの段階で示談等は一切しないで下さい。また協会で保険に加入している、いないは相手方には関係のないことです。軽々しく「保険に入っているから…」などと伝えない方が良いようです。
@できるかぎり詳しい事故報告を協会および保険会社にFAX等で連絡して下さい。
A相手に衝突された場合、必ず住所・氏名・連絡先を免許証等で確認して下さい。
B客観的に事故を説明できる目撃者も確認、(住所・氏名・連絡先を含む)して下さい。場合によっては地元警察へ連絡をとり、現場検証を行う必要もあります。
◇損害賠償を要求されたら…
「本当に損害賠償責任があるのか?」
Point1 不法行為が認められてはじめて…@不法行為がなければ損害賠償責任は成り立ちません。
A最近、多くの事故で損害賠償責任を要求してくる傾向にあります。相手の要求を鵜呑みにするのではなく、本当に不法行為にあたるような故意、または過失があったのか、冷静に状況を再確認することが大切です。
@受講生の事故報告の主なものは、受講生と他人との事故、受講生同志の事故、受講生の自己転倒です。いずれも、ほとんどの場合、当事者同志の問題であり、スクールに明らかな不法行為がない限りスクールに損害賠償責任が発生することはないと考えられます。
A指導したインストラクターに指導ミス等、明らかな不法行為がある場合はスクールに損害賠償責任が発生する可能性があります。ただし、その場合でも過失割合が認められる場合が一般的であり、必ずしもスクールが100%の損害賠償責任を負うものではありません。
@インストラクターの事故は業務中かプライベートかによって対応が異なります。インストラクターがプライベート(業務外)で起こした事故については一般的にスクールに損害賠償責任は発生しません。インストラクタ一個人の責任になります。この場合はインストラクタ一本人が加入している個人賠償責任保険が適用されます。
Aインストラクターが業務中に他人に衝突した場合は、スクールに損害賠償責任が発生する可能性があります。ただし、その場合でも過失割合が認められるケースが一般的であり、必ずしもスクールが100%の損害賠償責任を負うものではありません。
@事前の危機管理の意識を高める。
A安全管理に関して万全であったと主張できる体制を徹底する。
B万が一の場合、非のないものはきっぱりと断り、主張すべき点は、はっきりと主張する。仮に、不当な要求を受け入れてしまった場合には保険の対象にもならず、自分自身で責任をとらなければなりません。
◇損害賠償責任を認めざるをえない場合
Point1 交渉の窓口@交渉の窓口は、賠償責任の当事者であるスクールの代表者です。
A損害賠償責任保険の場合、保険会社は直接相手と示談交渉ができません。ただし、保険会社からはさまざまな支援を受けることが可能なので、相談をしながら示談を進めていきましょう。
@損害賠償の示談交渉は一般的に、相手の人が負傷した場合、そのケガが完治し、総損害額が確定した後でなければ、始めることができません。
Aケガが完治するまでの間は、当事者が、お見舞い等、常に誠意をもって慎重に対応することが大切です。
B相手の人のケガが完治したら、請求書類(診断書、領収書等)を送ってもらいます。
C相手方からの請求書類をもとに、保険会社が判例等から法律に照らし、過失割合及び損害賠償額を算出します。その内容を相手方に提示します。
D示談交渉は文書でのやりとりが一般的です。直接相手と会って交渉することは、通常行いません。
@保険会社が認める範囲で、当事者双方が納得したら示談書を交わします。通常、保険会社の指導のもとで自筆の示談書を作成します。相手方が、その示談書に捺印した後に損害賠償金が支払われます。
A保険会社の保険金支払いは、あくまで、契約者(被保険者)に対してであり、保険会社が相手方に直接支払うものではありません。したがって、保険会社が認めた範囲の損害賠償額から、免責金額を差し引いた金額が保険会社から契約者(被保険者)に対して支払います。当然のことながら相手方への支払いは当事者が行います。
◇示談できない場合
@相手方が法律上の損害賠償額で納得できない場合は、相手方が訴訟するのを待つことになります。一A訴訟をしてきた場合、保険会社が契約者(被保険者)に対して弁護士を立てます。その後は、弁護士に任せます。
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C安全管理要項 SlA公認校とスタッフのための安全管理要項
公認校のための安全管理要項
【安全管理}学校長及び安全管理者は以下の項目を遵守してください。
1.公認校及び分校は1名以上の安全管理者を設置し、安全確保に努める。(27ページ規程参照)2.公認校の経営者、学校長、安全管理者は率先して受講生、スタッフはもとより来場者の安全確保に務める。
3.学校長及び安全管理者は本冊子「安全指導のガイドブック」の内容を理解し、スタッフ及び受講生に対する安全に関する知識の周知、徹底に努める。
4.学校長及び安全管理者は危険認識を高めるために、より多くの事故に関する情報をスタッフに提供する。(2〜9ページ参照)
5.学校長及び安全管理者は安全な雪上スポーツの指導を目的に、スタッフに対し指導上の注意事項を徹底する。(12〜15ページ参照)
6.公認校は受講生等に対し,必要な「危険告知」を行う。(表3参照)
7.公認校は万一の事故に備え、各種保険に加入する。(21ページ参照)
8.公認校はスタッフ及び受講生に対し必要な保険の加入を勧め、万一の場合、必要に応じてそれら保険を適応する可能性がある事を明示する。(8、9、21ページ参照)
9.公認校は全国の日本赤十字社、消防署等が開催する各種講習会を活用するなど、スタッフに対する安全教育の機会を確保する。(22ページ参照)
日々の業務にあたりミーティング等で以下の項目を徹底してください。
1.学校長もしくは安全管理者は全スタッフを対象に、安全な指導に関する必要な確認を行う。
2.学校長もしくは安全管理者は公認校における朝礼、ミーティング等において、スタッフ各自の心身状態及び装備を確認し、厳正な業務管理を実施する。
3.学校長もしくは安全管理者は協会より提供された危険認識を高めるための事故に関する情報を全スタッフに伝達する。(2〜9ページ参照)指導計画に関して
4.学校長もしくは安全管理者は全スタッフの指導能力を把握し、個々のスタッフが担当するクラスにおいて適切な安全指導が行われるよう指導と管理をする。
5.学校長もしくは安全管理者はスタッフに対し、天候、ピステ等の状況、レッスン場所、時間等を考慮し、必要に応じて適切な助言をする。
6.学校長もしくは安全管理者はスタッフに対し、受講生の年齢、性別、運動能力、健康状態、用具等を配慮した指導を行うよう、必要に応じて適切な助言をする。
7.学校長及び安全管理者は担当スタッフと共に、迅速かつ適切な処置をし、誠意を持って当事者、被害者、受傷者等に対応する。(24、25ページ参照)
8.学校長及び安全管理者は担当スタッフの報告をとりまとめ、速やかに協会、保険会社等に連絡し、事故後の処理に努める。(8、9、24、25ページ参照)
スタッフのための安全管理要項
【常に心がける事項】1.協会が発行する本冊子「安全指導のガイドブック」の内容を理解し、遵守する。
2.安全な指導に関する日々のミーティングに参加する。
3.朝礼、ミーティング時等において、各自の心身状態及び装備を確認すると同時に、学校長もしくは安全管理者より安全な指導に関する助言を受ける。
4.全般的な事故情報を収集し危険認識を高める。(2〜10ページ参照)
5.各種機関が開催する安全講習会等に積極的に参加し、安全に関する知識、緊急時の対応、処置方法を修得する。(22ページ参照)
6.万一の事故に備え、保険に加入する。(21ページ参照)
7.受講生に対し適当な保険を紹介する。
1.各自の指導能力の範囲で安全な指導を行う。(12〜15ページ参照)
2.受講生の年齢、性別、健康状態、運動能力を配慮した安全な指導を心掛ける。(12〜15ページ参照)
3.刻々と変化する天候、ピステの状況等をみきわめレッスン場所、時間、内容等について適切な判断をする。(12〜15ページ参照)
4.その他、状況に応じた指導計画の立案をする。
1.万一の事故にあたっては冷静に状況を把握し、適切な処置をする。二次災害の防止に努める。(8、9、19、20ページ参照)
2.不幸にして負傷者が出た場合、誠意を持って対応し、被害者の負担の軽減と受傷者の早期回復に協力する。
3.学校長及び安全管理者に事故の内容を報告する。速やかに事故報告書を作成し事後の対応に関する指示を仰ぐ。(24ページ、報告は25ページ添付報告書を使用)
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SlA公認校 事故報告書
- スクール事故報告書
04/ 1/ 1 新規
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スキー場の行動規則
全国スキー安全対策協議会 平成10年10月20日制定
1.他の人への責任
スキー場では、決して他の人の体や持ち物に危害を与えではならない。
2.行動の一般的な注意
常に前方をよく見て滑り、体調・技能・地形・天候・雪質・混雑等の状況に合わせてスピードをコントロールし、いつでも人や事物を避けられるように滑り方を選ばなければならない。
3.先を滑る人への配慮
うしろや上から滑ってゆく人は、先を滑っている人の邪魔をしたり、危険がないように進路を選だりしなければならない。
4.追越し
追い越す時には、追い越される人がどのような行動を取っても危険がないよう充分な間隔を残しておかなければならない。
5.下を滑る時の注意
コースに合流する時や、斜面を横切る時、また、滑り始める時には、上と下に注意して、自分にも他の人にも危険のないよう確かめなければならない。
6.コースをふさがない
コースの中で、立っていたり座り込んだりしてはならない。せまい所や、上から見通しのきかない場所は特に危険である。転んだ時は出来るだけ早くコースをあけなければならない。
7.登り・歩き・立ち止まり
登る時、歩く時、また立ち止まる時は、コースの端を利用しなければならない。また、視界の悪い場合は、上から滑ってくる人には特に注意をする。
8.流れ止めをつける
スキーやボードには、すべて流れ止めをつけなければならない。
9.標識や警告・指示の尊重標識や掲示物・放送等スキー場の警告に注意し、スキーパトロールやスキー場係員の指示に従い、自分自身の事故防止にも努めなければならない。10.助け合いと立証の義務
事故に出会った時は、救助活動と通報に必要な協力をし、当事者・目撃者を問わず、身元を明らかにしなければならない。
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危険告知
受講生の皆様にスキー、スノーボードは冬の自然の中で行う、爽快で、感動にあふれたスノースポーツです。安全で楽しいスノースポーツのために下記の事柄をご確認ください。
○用具と装備に対する正しい知識や使用方法を身につけましょう。
○他のスキーヤー、スノーボーダーにも気を配り、衝突等しないよう注意しましょう。
1.高齢の方、もしくは健康に自信のない方は、事前に医師の診断をお受けになり健康状態を確認の上ご参加く
ださい。
2.未成年、高齢者はご家族の同意の上でご参加ください。
3.ご自分の体調が不良と感じた時は担当教師、もしくはスタッフまでお申し出ください。
4.ご自分の技術レベルに応じた用具をご使用下さい。また、締具は適正な前圧、解放強度に調整されているか確認してください。
5.ウェア、ヘルメット、帽子、手袋は保温と保護のために、サングラス、ゴーグル等は紫外線と寒さから目を守ると同時に視界の確保のために、専用の服装、装備品を正確に着用してください。
6.安全のため講習中は担当教師の指示に従い、ふざけたり勝手な行動は慎んでください。
7.滑走にあたってはスキー場内の標識、パトロールの指示、場内放送に従ってください。
8.スクールでは安全確保に努力いたしておりますが、参加者の過失と思われる事故に対しては全責任を負うものではありません。
9.万一の事故に備え、ご自身の傷害、そして相手の方のために保険に加入されることをおすすめします。
10.自然状況により雪上の講習を中止し、屋内のミーティング等に変更する場合があります。
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