スキー裁判所
 スキー安全性・危機管理の小部屋 
2007/8/01



丸ボタン SIA非公認スキー学校と、スキー教師のためのお部屋
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 スクールとインストラクターとしての危機管理についての資料を、少しずつ紹介していければ、と考えています。
 また一般のスキーヤー、スノーボーダーの皆さんも、いつあなたが加害者か被害者になるか分かりません。もし加害者になれば、あなたがばくぜんと考えている以上に責任はあります。反対に被害者になった時は、意外と少ない補償しかありません。法律とはそんなものです。

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▼雪・安全の関係▼


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★ 判例集

昭和38年(1963)  志賀高原で関本さん(SAJ都連の関本 毅氏の妹さん)事故(日本におけるスキー裁判第1号)。(SAJ都連のHPより)

スキー事故・スノーボード事故相談 (行政書士森本剛法務事務所)HPより

*SKI&SNOWBOARD ACCIDENT/スキー事故・スノーボード事故相談(行政書士森本剛法務事務所)HPより

◇スキーヤー同士の事故〜スキーヤーの注意義務と過失 (13例)
 ●昭和39年12月21日 東京地裁
  ゲレンデ内でのスキー事故と違法性の阻却される限度
 ●昭和49年5月31日 最高裁第三小法廷
  スキー場の開設者またはその管理者のスキー場において受傷した者に対する救護義務
 ●昭和58年11月1日 札幌地裁
  上方と下方にいるスキーヤーの注意義務
 ●昭和60年12月18日 横浜地裁
  スキーヤー同士の衝突死亡事故で、スキー場の経営者の注意義務の懈怠が認められなかった事例
 ●昭和61年9月30日 札幌高裁
  スキーヤー同士の衝突事故につき過失が認められないとされた事例
 ●平成2年9月27日 東京地裁
  他のスキーヤーに衝突して傷害を負わせた、不法行為に基づく損害賠償を認めた事例
 ●平成7年3月3日 東京地裁
  衝突し後続のスキーヤーに減速しなかった過失が認められた事例(過失相殺30%)
 ●平成7年3月10日 最高裁第二小法廷
  スキーヤー同士の接触事故につき、上方者に過失があるとされた事例
 ●平成9年7月24日 千葉地裁
  接触事故で、上方から滑降してきて転回しようとした者の過失を認めた事例(過失相殺20%)
 ●平成11年2月26日 神戸地裁
  スキーヤー同士の衝突事故で、上方から滑降者の一方的な過失として損害賠償請求が認容された事例
 ●平成12年9月28日 東京地裁
  衝突して負傷したスキーヤーが相手方に損害賠償を請求し、一部認容された事例
 ●平成12年10月31日 東京地裁
 衝突事故により双方が負傷した事案において、それぞれの過失を35%、65%の過失相殺た事例
 ●平成13年7月17日 東京地裁
  衝突して負傷させた事故について、上方のスキーヤーに注意義務違反があるとされた事例


◇使用者の責任〜選任監督義務 ( 3例)
 ●昭和39年12月21日 東京地裁
  スキー場のパトロール要員の選任監督につき、相当の注意をしたと認めなかった事例
 ●平成6年8月30日 東京地裁
  参加した高校生が、気管支喘息により死亡した事故。学校側と旅行会社の損害賠償責任が認められなかった事例
 ●平成12年7月4日 東京地裁
  小学生がそり遊び中に崖下に転落して死亡。スキー教室主催会社の損害賠償責任が認められた事例


◇土地工作物の瑕疵〜事業者・管理者の管理責任 ( 9例)
 ●昭和45年3月24日 長野地裁
  ゲレンデに伐倒木を放置したことが、工作物の設置保存の瑕疵に当たるとした責任など。民法717条の責任も
 ●昭和60年12月18日 横浜地裁
  スキーヤー同士の衝突死亡事故で、スキー場経営者に事故防止・注意義務の懈怠が認められなかった事例
 ●昭和62年6月16日 旭川地裁
  スキーヤーが滑走中に照明灯支柱に衝突して死亡。スキー場経営者に工作物責任を認めた事例
 ●平成2年1月31日 富山地裁高岡支部
  そりで滑走中、鉄塔に衝突し受傷。スキー場経営管理者及びそりの販売業者に対する損害賠償請求が否定された事例
 ●平成2年3月26日 東京地裁
  ゲレンデから駐車場に転落して死亡。ゲレンデ及び駐車場の占有管理者に賠償責任を認めた事例
 ●平成2年6月21日 東京地裁
  そりで滑降していた者がゲレンデ脇の樹木に衝突して受傷。ゲレンデの設置保存に瑕疵はないとされた事例
 ●平成2年11月8日 最高裁第一小法廷
  スキーヤーがクレバスに転落して負傷。スキー場管理者の過失によるものとはいえないとされた事例
 ●平成2年12月6日 横浜地裁川崎支部
  スキーヤーの滑走中に発生した衝突死亡事故。スキー場経営者に瑕疵責任等が認められないとされた事例
 ●平成13年2月1日 長野地裁
  滑走禁止区域で滑走中に雪崩で死亡。遺族がスキー場経営者及び滑走仲間に対して損害賠償を請求することができないとされた事例


国家賠償法1条〜公務員の不法行為と賠償責任 ( 2例)
 ●昭和58年11月1日 札幌地裁
  衝突事故につき、加害者・道立高校生を指導していたスキー授業担当教員らの過失が否定された事例
 ●昭和59年10月24日 札幌地裁
  スキー大会ゴール時計係が、コースを外た生徒に衝突され受傷。校長及び指導担当教諭に過失がないとされた事例
 深川西高校滑降大会ゴール計時係生徒衝突負傷事件
 (札幌地裁・国家脳賞法第1条による損害賠賞請求事件、昭59.10.24判決、確定)
 この事件も、教師の所属する高校を設置した北海道を被告とするものであったが教師の指導・監督に過失はなかったとして請求は棄却された。


国家賠償法2条〜営造物の設置管理の瑕疵と賠償責任 ( 1例)
 ●平成3年5月30日 金沢地裁
  滑走に適さないコースで転倒・負傷。進入禁止の標識などが不十分で、スキー場の設置管理に瑕疵があるとされた事例

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スキー指導者の責任 「スキーと安全」(財・SAJ編 スキージャーナル)より

1.スキー指導者の任務
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 スキー指導者は、正しいスキー技術の指導だけでなく、安全教育も大切である。一人ひとりの生徒をして安全に関して自覚をもち、どんな状況のもとでも自主的に対応できるスキーヤーに育てていかなければならない。
 そして、指導者はまた、自らその実践者であることを身をもって示していかなければならない(註12)。


2.講習中の事故と指導者の責任
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 スキーの指導にあたって指導者は、まず生徒に対して絶対にケガをさせないよう特段の配慮が必要である。そのために指導者は、生徒の技術程度を把握し、心身の状態、疲労度などに気を配り、臨機応変の指導を行わなければならない(註14)、(註15)。
 安全教育に関しては、生徒をいつも指導者のあとばかりついて滑らせるのでなく、時にはさまざまな斜面を生徒の自主的な判断にもとづいて、安全に滑り降りる訓練もさせておかなければならない(註16)。
 高校のスキー行事での生徒の傷害事故に関する判決が二つある。
 一つは、スキー授業のうちの自由滑走中に生徒が他のスキーヤーに衝突して負傷させた事故(註17)。
 もう一つは、高校のスキー大会で、男子滑降競技のゴール直前で、バランスを失った生徒が計時係をしていた生徒に衝突して負傷させた事故(註18)に関するもの。
 高校の担当教師の指導監督責任が問題とされたが、裁判所は両事件とも行事を行なうにあたっての一般的注意、実施にあたっての具体的注意が充分になされており、教師に指導・監督上の過失はないと判断した。
 この二つの判決は学校のスキー授業だけでなく、スキー学校、スキークラブなどの講習会での安全教育の実施にあたっての指針となるものである。

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(註12) 国設谷川岳スキー場におけるスキーヤーの再度にわたるクレパス転落負傷事件
(二審東京高裁・損害賠賞請求事件、昭60.131判決、最高裁・平2.11.8一小法廷判決。一部破棄自判、請求棄却)
 スキー指導員の資格をもち、スキー連盟の役員の経歴を有するベテランスキーヤーが、シーズンオフに近い時期に2年連続してクレパスに転落して負傷した事故で、二審の東京高裁は、事業者に危険箇所の表示に手ぬかりがあったとしてその責任を認め、さらにスキーヤーの過失も犬きいとして第l事故で90%、第2事故で70%の過失相殺をした。
 最高裁は東京高裁の判決を取り消し、事故はスキーヤーの過失で起こったものとしてその請求をすべて退けた。

(註14) 千葉県長生高校柔道部新入部員死亡事件
(千葉地裁・損害賠償請求事件、昭49.9.9判決)は、初心者の指導にあたっての注意義務に関するものである

(註15) 津市中河原海岸中学生集団溺死事件
(津地裁・損害賠償請求事件、昭41.415判決)は、練習の場所を設定するにあたっての注意義務に関する義務である。

(註16) (註5)の判決を参照。
(註17) (註5)と同じ事例。
(註5) テイネハイランドスキー場スキーヤー同士衝突負傷事件
(札幌地裁・損害賠償請求事件、昭58.11.1判決一部認容)
 高校のスキー授業の自由滑走時に生徒が、他のスキーヤーに衝突し負傷させた事件で、衝突されたスキーヤーが高校生と学校の設置者である北海道知事を相手に民法第709条の不法行為ならびに国家賠償法第l条にもとづく損害賠償を請求したもの。
 判決は上方から滑走したスキーヤーの過失だけを認め、北海道に対する請求は棄却した。
(判決)
(1) (前方注視義務)
 前方注視義務はあらゆる場合に求められるべき基本的な注意義務と解されるべきであり、通常、滑走者には、前方の滑走者あるいは停止者の動静(前方の見通しが悪い場合には、それらの者の存在)に注意し、それらの者と接触あるいは衝突することのないような速度、方向を選択して滑走することが要求される。
(2) (下方にいるスキーヤーの注意義務)
 もっとも、前方の滑走者あるいは停止者にもそれぞれその場に応じた注意義務が課せられているので、後行の滑走者がそれらの者が右注意義務を尽くすことを期待して滑走することは容認されると解すべきであり、したがって、前方の滑走者あるいは停止者が右注意義務に違反し後行者の合理的な予期に反する行動に出ることによって接触あるいは衝突事故が発生した場合は、後行者にその責任を問いえないことも考えられる。

(註18) 深川西高校滑降大会ゴール計時係生徒衝突負傷事件
(札幌地裁・国家脳賞法第1条による損害賠賞請求事件、昭59.10.24判決、確定)
 この事件も、教師の所属する高校を設置した北海道を被告とするものであったが教師の指導・監督に過失はなかったとして請求は棄却された。

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スポーツ事件簿―冬山登山・スキー場事故

  • スポーツネット・ジャパン  http://www.sportsnet-japan.com/ (201/5 完全にリンク切れ)
     「スポーツ活動の過疎化を防止し、地域社会スポーツの活性化に貢献する」、「日本スポーツ界の底辺層の拡大と発展に寄与する」、「安全・安心スポーツを推進する」を行動目的とする団体。
     理念も優れ、サイト内容も素晴らしかったのですが、201/5 完全にサイトの片鱗も無くなりました。残念ながら以下も、すべてリンク切れ(2010/5/01)。
     「スポーツ事件簿」、「アクシデント Close UP」などのページもあります。その中のスキー関係では、当HP管理人の友人でもある「福井大学教育学部・助教授 水沢 利栄」さんも、執筆をしています。
  • スポーツ事件簿(スポーツネット・ジャパン)  (2010/5/01リンク切れ)
  • スポーツ事件簿―冬山登山・スキー場事故(東京女子体育大学助教授・入澤 充氏)  (2010/5/01リンク切れ)

★スキー場死亡事故で村の賠償額3600万円 学生の過失6割認定
1994年1月に野沢温泉スキー場で転落死した東京都内の学生の両親が「事故は防止設備の不備が原因」として、スキー場を管理する長野県野沢温泉村に8,500万円の損害賠償を請求した事件の控訴審判決で、東京高裁は、村の危険防止対策の不備は認めたが、「スキーヤーにも危険個所を通過する際の注意義務があった」として大学生の過失6割を認定し、村の過失8割(約6,900万円支払い命令)という第1審東京地裁判決を変更して、村に約3,600万円の支払いを命じた。
(信濃毎日1998.11.26)

★スノーモービルと衝突死、大鰐温泉スキー場に損害賠償請求
1998年1月青森県大鰐温泉スキー場で、同町の小学5年の男児がスノーモービルと衝突、死亡した事故で、男児の両親が11月17日までに、スキー場を経営する第3セクターとスキー場の元パトロール隊長を相手に、約5,450万円の損害賠償訴訟を提起した。
訴えによると、同スキー場で練習をしていた男児が、元隊長が運転するスノーモービルに衝突され死亡した。元隊長には事故の刑事責任については業務上過失致死で罰金50万円の略式命令が出された。
(河北新報1998.12.18)

◆問題点
スキー場のゲレンデは、スキーヤーの生命・身体の安全を確保し、危険の生じることを防止するための措置が講じられていることが必要である。
昭和62年6月旭川地裁は「スキーヤーの滑降場所付近は障害物を除去し、必要な設置物については直撃の場合に生じる重大な結果を阻止するための防護設備を備えることを要し、かかる措置が講じられていないゲレンデは土地の工作物の設置・保存に瑕疵があるというべきである」旨の判決を出している。
一方、スポーツにおける自己責任について、本事例でも6割の自己過失、旭川地裁判決でも75%の過失を認定しているように危険性の高いスポーツを行う際には、プレイヤー自身の注意義務及び自己責任が厳しく問われることはいうまでもない。

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以下は、友人でもある「福井大学教育学部 助教授 水沢 利栄」さんの執筆によるもの

  • http://www.sportsnet-japan.com/Safety/Closeup/Accident/index.html  アクシデント Close UP (スポーツネット・ジャパン)  (2010/5/01リンク切れ)
     以下は、当HP管理人の友人でもある「福井大学教育学部 助教授 水沢 利栄」さんの執筆によるものです。
http://www.sportsnet-japan.com/Safety/Closeup/Accident/20040310-120353.html  第00078号 スキー場における接触事故1/3 2004年3月10日  (2010/5/01リンク切れ)
 スキーツアー参加者同士によるスキー中の接触事故の賠償責任
 (千葉地裁、平成9年7月24日判決 損害賠償請求事件、判例時報1639号86頁)
http://www.sportsnet-japan.com/Safety/Closeup/Accident/20040317-105822.html  第00079号 スキー場における接触事故2/3 2004年3月17日  (2010/5/01リンク切れ)
http://www.sportsnet-japan.com/Safety/Closeup/Accident/20040325-114119.html  第00080号 スキー場における接触事故3/3 2004年3月25日  (2010/5/01リンク切れ)


http://www.sportsnet-japan.com/Safety/Closeup/Accident/20040414-170024.html  第00081号 スキー滑降コースでの対人衝突事故1/3 2004年4月14日  (2010/5/01リンク切れ)
 スキー滑降コースでの対人衝突事故の過失責任
 (東京地裁、平成7年3月3日判決 損害賠償請求事件、判例時報1560号114頁)
http://www.sportsnet-japan.com/Safety/Closeup/Accident/20040423-134427.html  第00082号 スキー滑降コースでの対人衝突事故2/3 2004年4月23日  (2010/5/01リンク切れ)
http://www.sportsnet-japan.com/Safety/Closeup/Accident/20040506-165645.html第00083号 スキー滑降コースでの対人衝突事故3/3 2004年5月6日  (2010/5/01リンク切れ)

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「アスペン・スキー判決」

反トラスト法第2条に関してよく言及される「アスペン・スキー判決」
 最高裁判例"Aspen Skiing Co. v. Aspen Highlands Skiing Corp., 472 U.S. 585, 601 (1985)"(「アスペン・スキー判決」と略称)。
 その概要は、隣接するスキー場を経営するアスペン・スキーイング社(A社)とアスペン・ハイランド・スキーイング(B社)が共同してスキーリフト券を発行していたが、 A社(スキー場4カ所保有)がある時点で共同リフト券の発行継続を拒否。これに対しB社(同1カ所保有)が、共同リフト券の発行継続に合意できるならA社から小売価格にてチケットを購入してもよい等の妥協案を提示したにもかかわらず、これをA社が拒否したというもの。
 これについて連邦最高裁は、短期的な利益(B社による小売価格でのチケット引取り)を捨ててでも長期的な独占利益を安定的に確保することを目指した反競争的行為である、と認定した。


 以上です。

2005/ 4/21

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