◇'07/08 男子アルペンスキー FIS ワールドカップ
2008年5月、男子アルペンスキー FIS W杯 07/08の一挙、再?再放送が、ケーブルテレビで始まりました。土日を除く毎日4〜7時間の放映なので、見るほうも大変です。録画してコマーシャルなどなどは早送りして見ていますが、それでも平均5時間ていど。約半月、仕事をしている暇?はありませんでしたが、至福の毎日を過ごしました。
7月に入ってからは、録画したテープで2度目の観賞。
@ GS第4戦でのボディー・ミラー(MILLER Bode USA)。
2007-12-16 アルタバディア(イタリア)男子・大回転。
途中で自らコースアウトして、20メートルほど流して停止。何故?と、解説者も不思議がった光景。しかし片脚を上げると、締具がパラパラと分解して落ちてきたのです。
この事件を見て2つ
* 極限で滑るトップレーサーにかかる瞬間荷重の凄さです。より頑丈に作られているレーサー用の締具が、転倒などもせずに壊れたのです。
かって川端絵美選手も滑降レースでプレジャンプの着地をした瞬間、ヒザのじん帯断裂という事故もありました。
* それとこの状況でも、締具の破損に気づき、かつカチンカチンの氷上をGSの高速ターン中にバランスを崩さずに滑り、停止している技の凄さです。
ちなみに'02ウエンゲンのコンビ2位になった時も、ボディーは、「SL1本目に会心の滑りが出来なかった理由は、締具が緩んでいてスキーが外れないように慎重に滑ったためだ」とのこと。
A 国別の滑り方
限りなく高いこのレベルに至っても、各国の滑りに特徴があるのも面白いです。その国の持つアルペンスキーの歴史、監督やコーチの思想・方針、チームメート内のトップ選手の影響などなどによるものでしょう。
とくに、フランスチーム。
ユニフォームに入っている縦ライン・デザインため、運動やフォームが他国選手たちとは違って見えやすく、悩みます。もしかしたらユニフォームの性でそのように見えるのではないだろうか、と。
でもスラローム種目では、ターンキッカケでのゆったりとした(優雅な)立ち上がり、早めエッジング、浅めのコース取りなどは、他国とは全く異質に感じます。
'08総合8位、スラローム2位のジャン・バティステの活躍ぶりを見ても、本物です。
その他に、スエーデン、アメリカ、カナダなどは、とくに独特の雰囲気があります。
B 個人の滑り滑り方
◇ ベンジャミン・ライヒ(オーストリア)
'08総合2位、GS2位、スラローム8位、Super G 3位。
2005/06 は総合優勝、06/07は総合2位(優勝者のスビンダルにわずか13ポイントの差で及ばず)。
この成績からも分かるように、間違いなく頂点に立つ実力者の一人です。しかもライヒが凄いのは、安定性抜群。ボディー・ミラー(アメリカ)を見るような、いつミスるか、いつ飛び出すかという、ハラハラ、ドキドキの不安がありません。
しかもポールの中でも、このまま基礎スキー選手権に出してもダントツなほど、基本に忠実で、かつ美しい滑りを見せます。
優勝を逃がした'08シーズンについて言えば、試合強さがわずかに狂っていたようです。
◇ ボディー・ミラー(MILLER Bode アメリカ)
2004/05、および07/08の総合優勝
後傾、腰の内入れなど、基礎スキーなら悪の見本と責められます。競技でも他に見ない滑り方ですが、攻めのライン取りとスキーの走らせ方、そしてバランス感覚が抜群なのでしょう。
途中まで良くても、ゴールするまで分かりません。1本目がぶっちぎりのラップ・タイムでも、2本目は途中で消えているかも知れません。このハラハラ、ドキドキの不安もあり、当hp管理人は大好きな選手です。
B 個人の滑り滑り方.2
スキー界での頂点に立つW杯選手。しかもその中でも頂点に立つほんの一握りのトップ選手は、いわば王の中の王とでもいう存在です。そんな彼ら、彼女らの限りなく高いレベルでも、まだまだ上達があるのです。
◇ ボディ・ミラー(MILLER Bode アメリカ) ワールドカップ 通算31勝
総合順位 00/01: 42位. 01/02: 4位. 02/03: 2位. 03/04: 4位. 04/05: 1位. 05/06: 3位. 06/07: 4位. 07/08: 1位
◇ テッド・リゲティー(アメリカ) '07/08総合5位、Giant Slalom 1位
総合順位 03/04: 132位. 04/05: 62位. 05/06: 9位. 06/07: 11位. 07/08: 5位
◇ フェリックス・ノイロイター(ドイツ) '07/08総合25位、スラローム7位
総合順位 03/04: 62位. 04/05: 83位. 05/06: 48位. 06/07: 32位 07/08: 25位
例えば、この3名。
リゲティーは、元々はスラロームの選手のような記憶がありますが、GSで花開き、第一人者になっています。総合順位 03/04: 132位だったものが、毎年実力をつけ急成長を続けています。
ボディ・ミラーは2度も総合優勝をしているし、01/02以降は全て4位以内です。そういう頂点に立つ彼でも、07/08の滑りは前シーズンよりも安定度が増しています。テクニックの完成度が高まっているように感じます。
ノイロイターの総合順位が悪いのは、まだスラロームだけしか勝てないからです。06/07まではよく腰掛けスタイルになり、後傾での失敗が多かったです。それが07/08シーズンでは、その面も含めレベルアップし安定感も増しています。'09か'10にはスラーロームではトップグループに入り、総合でも順位を大きく上げていることでしょう(2008/ 9での予想)。