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アルペンスキー・ワールドカップ与太話集 (アルペンスキー・ワールドカップ与太話集.2)

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2014-03-15 WC最終戦GS その日その時三大ドラマが、、、(2014/7/05)

透明スペーサー
 このレースでの見所は、@'14WCアルペンスキー総合優勝のクリスタル・トロフィーの行方、AGS最終戦としてGS種目別優勝が誰に決まるか、B思わぬ若手の活躍という3つがある。とくにB種目別GSチャンピオン争いについては、最終走者まで決まらずハラハラ、ドキドキ、最高に面白いレースであった。

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◇@オーバーオールの優勝が、ヒルシャーとスビンダルの間でかかっていた。
 お互いに過去二度の優勝があり、どちらが三度目の美酒を味わうかという戦いでもあった。
 スビンダルは、WC通算25勝のうちGS4勝。GSは、決して苦手種目ではなかった。
 しかしスビンダル(通算獲得ポイント1,091)が1本目でミスをして、まさかの途中棄権。これによってヒルシャー(通算獲得ポイント1,122)の優勝が実質的には決まった。
 翌日の16/03/14 Slalomが全レースの最終戦。
 ここで優勝し、マルセル・ヒルシャー(Marcel Hirscher、AUT)が総合優勝(通算獲得ポイント1,222)。これは3度目の優勝であり、かつ11/12からかつ3シーズン連続の快挙である。
 破れたアクセル・ルンド・スビンダル(Svindal Aksel-Lund、NOR)はこの冬、2度目の滑降種目チャンピオンであり、前12/13から2シーズン連続のものである。かつ総合優勝でも、06/07と08/09の2度ある大チャンピオンである。

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◇A そして何よりも凄かったのが、GSの種目別チャンピオンの争いである。
 レース開始前の時点では、テッド・リゲティー(Ted Ligety、USA)の獲得ポイントは、460ポイント(それまでの優勝回数は4回)。もう一方のヒルシャーは510ポイント(それまでの優勝回数は2回)。
 得点だけ見れば、ヒルシャーが50ポイントをリードしているが、このGS最終戦はリゲティーが得意とするGSである。
 1本目がスタートした。
 リゲティーが0.18秒差で2位、ヒルシャーが8位。この僅差では行方はまったく分からない。
 そして2本目がスタートした。
▼Total成績表▼(15-03-2014 Lenzerheide [LNZ] - SUI  Men's Giant Slalom)
BibName + SurnameNat1.RunPos2.RunPosTotalPos
5Ted LigetyUSA1'08.2221'07.4152'15.631位
6Alexis PinturaultFRA1'08.72111'06.9422'15.662位
7Felix NeureutherGER1'08.0911'07.80122'15.893位
2Marcel HirscherAUT1'08.4081'07.5072'15.904位
11Roberto NaniITA1'08.3141'07.77112'16.085位
1Fritz DopferGER1'08.2431'08.03152'16.276位
8Henrik KristoffersenNOR1'08.501'07.872'16.378位
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 ヒルシャーのスタートは後ろから8番目。この時点でのラップは、1本目11位から快走したパントロー(Alexis Pinturault、仏)。そして0.48秒のリードを持ってスタートしたヒルシャーは、その時点で2位のタイム。 
 後ろから4番目のナニ(Nani 伊)がスタートしたが、ヒルシャーに続く3位。
 後ろから3番目ドファー(Dopfer 独)がスタートしたが、4位。ヒルシャーの2位は変わらず。
 そしてラス前のリゲティー。もしヒルシャーと同タイムか、あるいは遅れれば、この時点でリゲティーのGS種目優勝は無くなる。しかし流石GSは絶対王者で、ヒルシャーとは0.34秒差をつけてトップに立った。
 この時点では、1位リゲティー、2位パントロー、3位ヒルシャー。
 そして最終走者がノイロイター(Felix Neureuther 独)。今シーズンはGSでも好調。もしノイロイターが4位以下に沈めば、1位リゲティー560点、3位ヒルシャー570点でヒルシャーが栄光のクリスタルトロフィーを得る。
 もしノイロイターが優勝すれば、2位リゲティー540点、4位ヒルシャー570点で、同じくヒルシャーに栄光のクリスタルトロフィー。
 しかしノイロイターが二人の間の2位か3位に入れば、リゲティーがGSチャンピオンである。
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 ノイロイターがスタートし、コースの2/3ほどを滑った第二チェックポイントでは、遅れること僅かの0.04秒。リゲティーとの僅差での優勝争い。しかしその後が伸びず、2位パントローに次ぐ3位でゴール。従って、ヒルシャーは4位に落ちた。
 この結果、争う二人の合計得点は、同じ560ポイント。しかし優勝回数の違い、リゲティー5回、ヒルシャーは2回。この違いで、最後に笑ったのはリゲティーであった。
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 リゲティー(Ligety Ted)は、通算5度目のGS種目別で勝利。かつ、11/12はヒルシャーに奪われたが、'10〜'11、'13〜14と、各2年連続のGSチャンピオンである。この大記録は、本人以外が破ることのない永久不滅のものであろう。
 最後の最後まで、これほど手に汗を握って見るレースは、これまでにあっただろうか?
 ちなみに第22回ソチ冬季五輪金メダリストでもあるリゲティーは、これが今季6勝目、通算23勝目の勝利である。

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◇ C無名の若者アルプランディーニが2本目のラップを
 パントロー(Alexis Pinturault、仏)は、数十年に一人と言われる天才スキーヤー。1本目は11位に沈んだ上に、総合優勝などの戦いもなく、2本目は積極的に飛ばす。
 それを抑えて2本目ラップを勝ちとったのは、イタリアの新鋭ルッカ・デ・アルプランディーニ(Luca De Aliprandini)。23歳。
 2本目のスタートが10番早く、コースの荒れが少なかったとはいえ、天才を抑えること0.59秒の大差。2本合計では7位の好成績である。
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 私は初めて知った名前なので調べて見た。01/09/1990生まれの23歳の若手で、2011/12 ゾルデンでWC初レース。 Overall World Cup Positionで見れば、先 12/13シーズンは 103位。それが今回の活躍もあり、この 13/14シーズンは終わってみれば 54位と大躍進。SLの出場はなく、GSはやるが、本来は高速系を得意としているようである。今後、それも早い内に期待されるレーサーの一人である。
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 この'14シーズン大活躍の23歳アレクシス・パントロー(Alexis Pinturault、仏、Overall World Cup Position 13/14: 3位. )、19歳ヘンリク・クリストファーセン(Henrik Kristoffersen NOR、Overall World Cup Position 13/14: 7位.)にも触れたいのだが、話が長くなりすぎたので止めておきましょう。
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'14 17-12-2013女子SLクールシュベル 数々のドラマが、、、(2014/5/12)

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 16/11/2013 Levi FIN に次ぐ、'14シーズン女子SL第二戦の、17-12-2013 Courchevel(クールシュベル) - FRA Women's Slalom
Rank Name + Surname Nat 1.Run 2.Run Total
 1位 Marlies Schild姉 AUT 51.91 53.26 1'45.17
 2位 Frida Hansdotter SWE 51.84 53.66 1'45.50 +0.33
 3位 Bernadette Schild妹 AUT 51.71 54.68 1'46.39 +1.22
 1本目は妹Bernadetteがラップ。3位姉とのタイム差は-0.20秒。当然2本目は最終ランナー。
 2本目に入り、27番目の走者・姉が見事な滑りでラップを出し、-1.43秒差のぶっちぎりでトップに立つ。29番目の走者・Hansdotterは及ばず、+0.33秒。そして最終ランナー・妹が滑り出すが、緊張のため脚が硬く、動かずメロメロの滑りで、遅れること+1.22秒も。しかし、幸い3位の入賞。
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◇ このCourchevel(クールシュベル)スキー場ではSL3勝目。通算36勝目、SL34勝目。Marlies Schild優勝は、32歳200日。WC(女子)回転史上、最年長V記録。(男女全体SLでも最年長V記録であろう?)
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◇ シルト姉妹が、一緒に表彰台に立つのは初めてのこと。
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◇ かつ1本目は妹1位、姉が3位。2本のトータル順位では、姉1位、妹が3位。またラップで見れば1本目は妹1位、2本目は姉1位。これらは、きっと珍しい記録である。もしかしたら、女子WCでも初めての珍記録?
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◇ そしてもう一つ。上位10位以内に、何とオーストリーの選手が6名も連なっている。1 3 4 5 7 10位である。オーストリーの日である。
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'07 さすが、ワールドカップ・匠(たくみ)の技(2008/9/14)

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 とくに雪不足に叩かれた'07シーズンのヨーロッパ。それに比べたら、日本の雪不足などは、まだましなものでした。
 例えば2007-02-23〜25に男子、滑降と回転の3連戦が開催されたガルミッシュ(ドイツ)。滑走コース以外は見事?なまでの牧草地。白くないのです。隣国オーストリアから2千トンの雪を運んでコース造りとのことでした。


 4月にスクールを閉じて猪苗代から東京に戻り、春から夏にかけて'06/07のワールドカップ・アルペンの大半のレースを、ケーブルテレビの再放送、再々放送で見ました。
 その中のダウンヒルの4レース中に、各1名の選手の片スキーが突然に外れ、そのまま数十メートル滑り降り、バランスを崩すこともなく平然と停止。100km/h以上のスピードで、です。
 さすがに磨き抜かれたトップレベルの技の凄さです。人間の限界への可能性に、感動しました。


 高速系の選手の中には、一部スラロームは下手な選手もいます。コンバインドや総合得点の関係で参加するのですが、見ていてヘボに感じます。でも、実際にはそれでもかなりの高いレベルなのです。


 デモ選などの基礎も含めて、最近のトップ・スキーをあまり見ていないので、浦島太郎状態を心配していました。上下動がかなり控えられていることと、ストレート・フラッシュ的な浅回わりは別次元ですが、それ以外の滑り・技術は違和感なく理解できます。基本ということでは、それほど変わっていません。
 ですからもし基礎スキーで私が浦島太郎になるなら、その基礎スキーが狂っているのです。

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'08 さすが、ワールドカップ・匠(たくみ)の技(2008/9/14)

◇'07/08 男子アルペンスキー FIS ワールドカップ

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 2008年5月、男子アルペンスキー FIS W杯 07/08の一挙、再?再放送が、ケーブルテレビで始まりました。土日を除く毎日4〜7時間の放映なので、見るほうも大変です。録画してコマーシャルなどなどは早送りして見ていますが、それでも平均5時間ていど。約半月、仕事をしている暇?はありませんでしたが、至福の毎日を過ごしました。
 7月に入ってからは、録画したテープで2度目の観賞。


@ GS第4戦でのボディー・ミラー(MILLER Bode USA)。
 2007-12-16 アルタバディア(イタリア)男子・大回転。
 途中で自らコースアウトして、20メートルほど流して停止。何故?と、解説者も不思議がった光景。しかし片脚を上げると、締具がパラパラと分解して落ちてきたのです。
 この事件を見て2つ
* 極限で滑るトップレーサーにかかる瞬間荷重の凄さです。より頑丈に作られているレーサー用の締具が、転倒などもせずに壊れたのです。
 かって川端絵美選手も滑降レースでプレジャンプの着地をした瞬間、ヒザのじん帯断裂という事故もありました。
* それとこの状況でも、締具の破損に気づき、かつカチンカチンの氷上をGSの高速ターン中にバランスを崩さずに滑り、停止している技の凄さです。
 ちなみに'02ウエンゲンのコンビ2位になった時も、ボディーは、「SL1本目に会心の滑りが出来なかった理由は、締具が緩んでいてスキーが外れないように慎重に滑ったためだ」とのこと。


A 国別の滑り方
 限りなく高いこのレベルに至っても、各国の滑りに特徴があるのも面白いです。その国の持つアルペンスキーの歴史、監督やコーチの思想・方針、チームメート内のトップ選手の影響などなどによるものでしょう。
とくに、フランスチーム。
 ユニフォームに入っている縦ライン・デザインため、運動やフォームが他国選手たちとは違って見えやすく、悩みます。もしかしたらユニフォームの性でそのように見えるのではないだろうか、と。
 でもスラローム種目では、ターンキッカケでのゆったりとした(優雅な)立ち上がり、早めエッジング、浅めのコース取りなどは、他国とは全く異質に感じます。
 '08総合8位、スラローム2位のジャン・バティステの活躍ぶりを見ても、本物です。
 その他に、スエーデン、アメリカ、カナダなどは、とくに独特の雰囲気があります。


B 個人の滑り滑り方
◇ ベンジャミン・ライヒ(オーストリア)
 '08総合2位、GS2位、スラローム8位、Super G 3位。
 2005/06 は総合優勝、06/07は総合2位(優勝者のスビンダルにわずか13ポイントの差で及ばず)。
 この成績からも分かるように、間違いなく頂点に立つ実力者の一人です。しかもライヒが凄いのは、安定性抜群。ボディー・ミラー(アメリカ)を見るような、いつミスるか、いつ飛び出すかという、ハラハラ、ドキドキの不安がありません。
 しかもポールの中でも、このまま基礎スキー選手権に出してもダントツなほど、基本に忠実で、かつ美しい滑りを見せます。
 優勝を逃がした'08シーズンについて言えば、試合強さがわずかに狂っていたようです。


◇ ボディー・ミラー(MILLER Bode アメリカ)
 2004/05、および07/08の総合優勝
 後傾、腰の内入れなど、基礎スキーなら悪の見本と責められます。競技でも他に見ない滑り方ですが、攻めのライン取りとスキーの走らせ方、そしてバランス感覚が抜群なのでしょう。
 途中まで良くても、ゴールするまで分かりません。1本目がぶっちぎりのラップ・タイムでも、2本目は途中で消えているかも知れません。このハラハラ、ドキドキの不安もあり、当hp管理人は大好きな選手です。


B 個人の滑り滑り方.2
 スキー界での頂点に立つW杯選手。しかもその中でも頂点に立つほんの一握りのトップ選手は、いわば王の中の王とでもいう存在です。そんな彼ら、彼女らの限りなく高いレベルでも、まだまだ上達があるのです。
◇ ボディ・ミラー(MILLER Bode アメリカ) ワールドカップ 通算31勝
 総合順位 00/01: 42位. 01/02: 4位. 02/03: 2位. 03/04: 4位. 04/05: 1位. 05/06: 3位. 06/07: 4位. 07/08: 1位
◇ テッド・リゲティー(アメリカ) '07/08総合5位、Giant Slalom 1位
 総合順位 03/04: 132位. 04/05: 62位. 05/06: 9位. 06/07: 11位. 07/08: 5位
◇ フェリックス・ノイロイター(ドイツ) '07/08総合25位、スラローム7位
 総合順位 03/04: 62位. 04/05: 83位. 05/06: 48位. 06/07: 32位 07/08: 25位


 例えば、この3名。
 リゲティーは、元々はスラロームの選手のような記憶がありますが、GSで花開き、第一人者になっています。総合順位 03/04: 132位だったものが、毎年実力をつけ急成長を続けています。
 ボディ・ミラーは2度も総合優勝をしているし、01/02以降は全て4位以内です。そういう頂点に立つ彼でも、07/08の滑りは前シーズンよりも安定度が増しています。テクニックの完成度が高まっているように感じます。
 ノイロイターの総合順位が悪いのは、まだスラロームだけしか勝てないからです。06/07まではよく腰掛けスタイルになり、後傾での失敗が多かったです。それが07/08シーズンでは、その面も含めレベルアップし安定感も増しています。'09か'10にはスラーロームではトップグループに入り、総合でも順位を大きく上げていることでしょう(2008/ 9での予想)。

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世界選手権や五輪で勝つには、ピーク調整が必要(2009/2/15)

透明スペーサー
 オーレの世界選手権(2007/2)で目を引いたのは、地元スウェーデンの女子選手パーションが、3種目で優勝したことだ。
 スウェーデン・チームは、地元開催の世界選手権を重視し、直前の時期のワールド・カップ・レース数試合を休ませて、万全のコンディションで試合に臨めるようにした。
 その結果が、3種目優勝である!

 1968年のフランス・グルノーブル冬季五輪で、地元のキリー選手が「三冠王」になったときも、直前のワールドカップ・シリーズを休んで、調整に専念させていた。
 キリーの場合は、ウェンゲンのラウバーホーン大会で惨敗し、コンディションは非常に悪かったのだが、その後の休養・調整で立ち直った。
 それに対して、ウェンゲン、キッツビューエルで勝ち、絶好調だったオーストリアのネニング選手などは、五輪では、キリーにまったく歯が立たなかった。

 オーストリアには、歴史に残る偉大なアルペン・レーサーが多数輩出している。
 しかし、五輪や世界選手権で優勝した回数は、実力に比し、決して多くはない。
 カール・シュランツなど、五輪では遂に勝てなかったし、アンネマリー・プレルも72年の札幌五輪で3冠が期待されながら勝てなかった(80年のレイクプラシッドでやっと1個)!

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著作権情報
このスキーの話ページの新設日 : 1999/07/25.

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