◇二刀流、ビックリたまげた、驚いた、
2018平昌五輪女子SG優勝レデツカ (2018/03/03)
2018平昌オリンピックに、スノーボードとアルペンスキーの2種目に参加選手がいた。スノーボードの実況レース中に、解説を聞き驚いた。チェコのエステル・レデツカ(Ester LEDECKA)という、22歳の女子選手であるが、異種目で参加の二刀流は、オリンピック史上初のこと。しかもその両方で金メダルをとってしまった。
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▲上は、女子スーパーG優勝時のエステル・レデツカ |
アルペン複合(滑降と回転を組み合わせたもの)で、高速系が得意なレーサーが回転種目を滑ると、スローモーションを見ているような感じがする。本来は彼ら、彼女らのジュニア時代は、回転や大回転からスキーを始めていたはず。それが一流レーサーに育ち、専門を高速系に絞った時点から、多くは技術系練習を止めてしまう。練習に割ける時間の減少、体力の問題などがあるからだ。
数年前に引退したイビツァ・コステリッチのように、ワールドカップ(W杯)アルペンの全種目、全レースに参加を原則にしていた例外もある。しかし彼の場合は、異種目とはいえ同じアルペンスキーの中でのことだ。
レデツカの場合は、スノーボードとアルペンスキーという全く異質の2種目だから凄い。
2歳でスキー、5歳でスノーボードを始め、幼い頃から両方の種目で才能を発揮した。コーチに競技を絞るよう勧められたこともあったが、貫いた「二刀流」。
スノーボードでは2012年に、スキーでも16年にW杯デビュー。トレーニング期間を3週間ごとに区切り、両方の種目をそれぞれ強化。
今オリンピック大会は、史上初めて両競技で代表入り。
スノーボードの世界選手権では15年パラレル回転、17年パラレル大回転で優勝。この世界では、すでにトップ選手の座を占めていた。
しかし、アルペンスキーでは、下位グループの一人にしか過ぎなかった。W杯でもこの3年間で7位に入ったのが一度だけ。レーサーとしてのSuperRankは130位。
それが、2018/02/17の五輪女子SGで上位の選手が滑り終えた26番目にスタートし、1位。26番目スタートで優勝は、ほとんどありえないこと。だからゴール後、しばらくは画面を見つめたまま、口を開けて放心状態。「機械のミスだろうって。少し待ったら直るかなと思っていたの」と。
(当HP管理人の想像では、五輪アルペンでチェコの入賞もメダル獲得も、初めてではないだろうか。)
そして1週間後の2018年2月24日、スノーボード女子パラレル大回転。こちらは期待どおり持てる力を発揮し、金メダルを獲得。
22歳の二刀流が、前人未到の異種目で“2冠”を達成した。